ECO-ECO (Economy as Ecology) 人類社会を生物原理で見る |
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岡本久人氏 | |
Hisato OKAMOTO |
プロフィール |
1944年北九州市生れ.新日鐵八幡製鐵所において技術開発部門を担当.その後,欧州に駐在し,海外協力にも携わる.現在,(株)九州テクノリサーチ地球環境プロジェクト部長,(財)日本野鳥の会評議員,環境庁環境カウンセラー,ならびにECO-ECO研究会を主宰している. 著書に生態系が語る日本再生,野鳥調査マニュアル,写真集隼ほかを出版し,国内外で写真展を開く. |
講演要旨 |
経済問題,環境問題をはじめ現代社会は混迷の極みにあるようだ.しかしながら,人類はなかなかその出口を見出せない.ECO-ECO は現代の人間社会を,ヒト科動物の生態学や行動学に置き換えて見直すことで,急激な多様化の中で見失っている諸問題の本質を認識し,解決の方向を見いだすための考え方である. 例えば木材のリサイクルやリユーズでゼロエミッション社会を実現できたとしても,地球上の森林消失を回避することは不可能である.一方でそれを上回る人口増加や一人当りの資源消費量の増加が今後も続くからである.その根底には自然界の動物とは異なったヒト科動物特有の行動原理があり,それに基づいた経済原理があるからだ. 現代文明は科学技術の急速な発展の上に成立してきた.その科学技術は多様に専門分化することで進化してきた.結果として人類は今日の大繁栄と同時に,社会を超複雑系にしてしまった.人類は自ら創り出した複雑系の中で方向を見失っているのである. 従って現代社会という複雑系の諸問題を解くのに,分析的な従来の現代科学技術の方法,すなわち帰納法では困難かもしれない.そこでECO-ECOの視点から演繹的に,経済問題,環境問題をはじめとする現代社会の諸問題を捉える活動を展開してきた.今回の講演では,その考え方と具体的な取り組みを紹介したい. |
パネラー 佐々木恵彦氏 |
パネラー 佐々木 光氏 |