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■ ウッディエンス メールマガジン 2007/6/25 No. 004
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■ 木材の科学は日進月歩! 日本木材学会から最新の情報をお届けします ■
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発行 日本木材学会広報・情報委員会 ■
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■本号の目次■
・会員の研究紹介
◆『屋外で使用される構造用集成材の接着性能の検討』
北海道立林産試験場 宮崎淳子
◆『樹の気持ちを材料に − セルロースナノコンポジット −』
京都大学生存圏研究所 矢野浩之
・木材に関する話題から
◆『木製遊具の事故に思うこと』
森林総合研究所 桃原郁夫
◆『2007年 めざせ!!「木工の技」チャンピオン全国大会実施報告』
大阪教育大学 荒井一成
・関連行事情報
◎第57回日本木材学会広島大会 8/8-10
◎第6回木橋技術に関するシンポジウム 8/24
・その他
◇新刊図書案内 日本木材学会編『木質の物理』
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■会員の研究紹介コーナー■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本木材学会の研究分科会という組織ではいくつかの共通の研究対象に興味をもつ
会員相互の情報交換や新たな成果を発表するなど、さまざまな活動が行われています。
このコーナーでは、それぞれの研究会から興味深い研究をされている方を順番に紹介
しています。
今回は《接着研究会》から推薦された宮崎淳子氏と《レオロジー研究会》から推薦
された矢野浩之氏の研究をご紹介します。
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◆『屋外で使用される構造用集成材の接着性能の検討』
北海道立林産試験場 宮崎淳子
近年、森林資源の保全やアメニティー重視の観点から、公共事業を中心に木製の屋
外構造物の建設が進められています。こうした中、構造用集成材が橋梁などの耐力部
材に利用される事例が増加しています。
構造用集成材を屋外で利用するには、様々な環境因子に対する抵抗力が必要になり
ます。環境因子の中でも特に腐朽や水は、強度性能を著しく低下させて破壊を引き起
こす原因になることから、集成材には高い耐朽性、耐水性が求められます。
高い耐朽性を付与するために、集成材には防腐処理が施されます。集成材への防腐
処理方法としては、完成した集成材に対する防腐処理とひき板に対する防腐処理があ
ります。前者に比べて後者は、内部まで防腐剤が含浸されるため、高い耐朽性が期待
できますが、防腐処理されたひき板の接着性能が問題になります。
また、接着剤にはレゾルシノール樹脂など耐水性のあるものが用いられますが、野
外で使用するには、水による強度性能への影響を調べ、耐水接着性能を把握する必要
があります。
このような背景から、著者らは防腐処理集成材の接着性能、耐水接着性能を検討し
ました。本稿では、それらの結果を紹介します。
◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
http://www.jwrs.org/woodience/mm004/miyazaki.pdf
◇問い合わせ先:北海道立林産試験場 性能部接着塗装科
宮崎淳子 TEL 0166-75-4233 / FAX 0166-75-3621
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◆ 『樹の気持ちを材料に − セルロースナノコンポジット −』
京都大学生存圏研究所 矢野浩之
樹木は、小さな種にはじまり、厳しい環境に耐え、やがて地球上で最も巨大な生き
物となります。植物が陸上に上がったのは約5億年前のことですが、その後、決して
快適とは言えない地球環境の中で進化を遂げ、今では、樹木は地球上のバイオマスの
約95%を占めるに至っています。この樹木の圧倒的な存在感を拠り所として材料を
開発出来ないものだろうか。この地球上で数億年にわたり種をつないできた生き物の
力を借りて、21世紀を生き抜くための材料を開発することが出来ないだろうか。こ
の様な思いのもと、植物やバクテリアの作るセルロースナノファイバーで、鋼鉄より
強い材料や有機EL用の透明繊維強化材料の開発を進めています。本稿では、すべて
の植物細胞の基本骨格物質で、この地球上にほぼ無尽蔵に存在するスーパーナノファ
イバー「セルロースナノファイバー」を用いた新材料について紹介します。
◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
http://www.jwrs.org/woodience/mm004/yano.pdf
◇問い合わせ先:京都大学生存圏研究所 中核研究部 生物機能材料分野
矢野浩之 TEL 0774-38-3669 / FAX 0774-38-3658
■木材に関する話題から■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マスコミなどでも取り上げられた木材に関する最新の話題を関係者がご紹介します
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◆木製遊具の事故に思うこと
森林総合研究所 桃原郁夫
本年4月11日に岐阜県大垣市の小学校の校庭に設置されていた木製遊具の支柱が突
然折れ、13人の児童がけがを負った事故は、社会的にも大きな衝撃を与えたので、
ご記憶の方も多いと思われます。この記事では木材の耐久性に関する研究がご専門の
森林総合研究所の桃原郁夫氏に、この事故について専門家の立場からの解説をお願い
しました。
◇記事は下記のリンクからご覧ください。
http://www.jwrs.org/woodience/mm004/momohara.pdf
◇問い合わせ先:独立行政法人 森林総合研究所 木材改質研究領域
桃原郁夫 momohara@ffpri.affrc.go.jp
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◆『2007年 めざせ!!「木工の技」チャンピオン全国大会実施報告』
大阪教育大学 荒井一成
2007年1月27,28日に,今年で6度目になる“めざせ!!「木工の技」チャンピオ
ン”全国大会が,つくば国際会議場で開催された。この大会は,全日本中学校技術・
家庭科研究会が主催(つくばでの開催では茨城県,つくば市,茨城県教育委員会,つ
くば市教育委員会も主催)する“全国中学生創造ものづくり教育フェア”の一部門で,
ロボコンやお弁当コンテスト等といっしょに行われている。
また本大会は,文部科学省と日本産業技術教育学会との共催,日本木材学会,林野
庁,社団法人の全国木材組合連合会と全国林業改良普及協会の後援による。林野庁が
進める「木づかい運動」コーナーも設置され,木づかいな心の土産に,賑わいを見せ
ていた。
本年は,選手の熱い競技を観戦に,6000人を超える入場者があった。
27日午前10時半,尾崎審査委員長(鳴門教育大)の号令で,4時間半にわたる競技が
開始された。2枚のヒノキの板(900×200×15mm)から,各自あらかじめ設計
してきた作品を制作していく。手工具を巧みにさばく21人の選手の,熱い闘志と凛
々しい職人ぶりが伝わってきた。
各選手は,全国大会に向けた多くの練習の中で,様々なヒノキに出会ったことだろ
う。手工具を操りながら,その板材の部位,乾燥状態等によるヒノキの微妙な違いを
ダイレクトに読みとっていた。木目,香り,味,響き,滑らかさと語らうことで,加
工する方針を決めていた。
また,宮大工や祖父ら,師匠から教わってきた“技”を披露した。文化としての,
手工具の見事な操作に,観戦者から感嘆の声が発せられた。体も生かす。頭も使う。
手で考える。そしてなにより,心から楽しんでいる。無駄のない動作ひとつひとつが,
奥深い文化として,継承されつつあった。
27日午後4時半,制作終了。出来上がった21点の個性的で素晴らしい作品をみる
と,生物材料としての新たな“生”を感じるとともに,日本の木工文化継承の大切さ
を知ることができる。地球環境を考えていく上で,とても大切な森林との共存。古よ
り日本人は地産材をどんどん使うことで,森林が元気になり,人間の生活も安全で豊
かになることを知っていた。
呼吸する木材が,もっとも身近なものづくりの材料として,今後も,学習や遊び,
生活の楽しみを広げるために,活用され続けたい。
本稿の具体的内容に関してはwebページ
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~gijutsu/monozukuri7/
をご覧ください。
■関連行事情報■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この欄では木材科学に関するシンポジウム等の情報をご紹介します。
その他の木材学会の行事予定は http://www.jwrs.org/events/event.html で
ご覧ください。
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◎ 第57回日本木材学会広島大会
日 時:8月8日〜10日
会 場:安田女子大学
第57回の日本木材学会年次大会が広島で開催されます。研究発表等以外に、会期
中に、下記特別講演ならびにシンポジウムが予定されています。両者は、学会参加登
録者以外の皆様も無料で聴講可能ですので、ぜひご参加ください。
・特別講演
日 時:8月8日(水)14:10〜15:10
場 所: 安田女子大学 まほろば館(講堂)
講演者: 達川光男氏 元広島東洋カープ監督,現日本プロ野球解説者
演 題:「ここ一番に強くなろう」
・シンポジウム
日 時: 同上 15:20〜16:50 / 場 所: 同上
テーマ:「木の魅力を語る」
趣 旨:「木の魅力を語る」をテーマに,下記4名の方をパネラーに迎え,安藤直
人氏(東京大学)のコーディネートによりパネルディスカッションを開催します。
シンポジウムでは,達川氏からは野球道具や生活材料・製品としての木材利用者の
立場から,また,3名の木材産業企業社長からは木材や木質製品の生産者・提供者の
立場から,それぞれ木の良さや面白さを紹介していただくとともに,そこに介在する
問題点,課題そして双方の立場への要望についてディスカッションしていただきます。
パネラー: 達川光男氏 元広島東洋カープ監督,現日本プロ野球解説者
堀川保幸氏 中国木材株式会社代表取締役社長
宮沢俊哉氏 株式会社アキュラホーム代表取締役社長
山根恒弘氏 山根木材株式会社代表取締役社長
詳細は以下のリンクから
http://www.jwrs.org/wood2007/data/index-j.html
「各種催事について」をご覧ください。
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◎ 第6回木橋技術に関するシンポジウム
日 時:2007年8月24日(金)9:00〜17:00
会 場:土木学会「土木会館」2階「講堂」(新宿区四谷1丁目(外濠公園内)、JR中央
線「四谷駅」下車徒歩3分)
定 員:120名
参加費:会員・非会員6,000円、学生3,000円(論文集・報告集代を含む)
懇親会:2007年8月24日(金)18:00から2時間程度、参加費5,000円を予定
主 催:土木学会 / 後 援:日本木材学会ほか
このシンポジウムでは、木橋の木質材料、設計法、木橋構造、耐久性、維持管理、
施工など多岐に渡る木橋技術に関する論文の発表が予定されております。これからの
木橋建設を考えていくうえで、大変参考になる技術的知見や情報が含まれています。
詳しくは下記リンクをご覧ください。
http://tbl.tec.fukuoka-u.ac.jp/jsce-mokkyo-sympo/
■新刊図書案内■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本木材学会が編集した新しい図書が刊行されました。
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◎日本木材学会編『木質の物理』(文永堂出版)
ISBN978-4-8300-4111-2
A5版, 312ページ, 4,000円+税
日本木材学会では2005年に創立50周年を記念したさまざまな事業を展開しました。
その活動の一環に、発行から20年が経過する木材の教科書三部作『木材の構造』『木
材の物理』『木材の化学』の改訂作業がありました。このたび改訂三部作の第1冊め
として『木質の物理』が刊行されました。
本書は、この分野を支える第一線の研究者が最新の知見を十分に盛り込んだもので、
旧著『木材の物理』の内容は全面的に改訂されています。新しい時代の木材科学の教
科書の一翼を担うに相応しいものと言えるでしょう。是非一度手にとってご覧くださ
い。
本書の目次を以下に示します。
第1章 木材の物理的性質の特徴(構造上の特徴/生物材料としての特徴)
第2章 水と木材(木材中の水分/収縮と膨潤)
第3章 力と木材(弾性/粘弾性/強度と破壊/成長応力)
第4章 熱と木材(熱膨張と比熱/熱伝導)
第5章 電気と木材(誘電性と導電性/圧電性)
第6章 木材と住環境(気候調節/視覚と触感/音)
第7章 木材試験法と主要樹種の物理的性質
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■日本木材学会の刊行する学術雑誌はインターネットで読むことが出来ます。最新の
学術情報をぜひご覧ください。
◎和文誌:木材学会誌 電子ジャーナル版
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jwrs/-char/ja/
◎欧文誌: Journal of Wood Science 電子ジャーナル版
http://www.springerlink.com/content/1611-4663/
━━━━<広 告>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ウッディエンス」では以下の欄に掲載する5行広告を募集します。
なお、広告は日本木材学会の賛助会員からのみ受け付けます。
詳しくは末尾の広報・情報委員会までメールでお問い合わせください。
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□ 宛 先:日本木材学会広報・情報委員会
□ ウッディエンス・ホームページ http://www.jwrs.org/woodience/
□ 日本木材学会ホームページ http://www.jwrs.org
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