〇終了いたしました。同時接続者数は138名でした。多数のご参加、ありがとうございました。
【日時】2022年7月13日(水)13:00 〜 17:00
【方法】Zoomによるオンライン開催
【趣旨】
早生樹は植樹から伐採までに約20年と短期間での木材生産が可能であるため、これまで世代を超えて行われた採算性の悪い林業に、「儲かる林業」の選択肢が追加されると期待されています。また、マンションなどのフローリング材は、外国産広葉樹材に頼らざるを得ない状況であり、国産早生広葉樹材への期待は高まりつつあります。2011年に当研究会でシンポジウム「早生樹最前線!」を開催して以降、企画担当の松村順司氏の尽力によって、早生広葉樹が造林樹種の選択肢の一つとして再認識され、森林・林業白書に国産早生樹の内容が取り上げられるようになりました。
政府は早生樹の植林に補助金を出し、早生樹利用を推進する方向ではあるものの、その基礎となる木材材質に関する研究は十分ではありません。木材の特性を生かした利用方法は未だ手探りの状態であり、それぞれの樹種の木材特性を正確に把握する必要があります。科学的根拠に基づき、最終用途を提案し、優れた材質の木材を安定的に供給する方法を確立することが、早生樹材の利用促進につながると考えます。将来的には、そのための造林・育林方法や、森林経営方法について、材質研究側から林業側に情報をフィードバックできるシステムの構築が重要と考えます。
本シンポジウムでは、川上から川下まで、各分野のスペシャリストの方々に、早生広葉樹を取り巻く現状をご紹介いただきます。また、海外経験が豊富な講師には、海外での早生広葉樹の材質研究や有効利用の事例をご紹介いただき、国産早生広葉樹の有効利用に活かすための情報を提供していただきます。それらをもとに、本格利用に向けて、国産早生広葉樹の材質研究の今後の方向
性を考えていきたいと思います。
【講演内容】
13:00 開会挨拶
日本木材学会 組織と材質研究会 代表幹事 雉子谷 佳男
13:05 趣旨説明
日本木材学会 組織と材質研究会 企画担当 児嶋 美穂
13:10 講演
「森林経営から考える材質研究」
田島信太郎氏:田島山業株式会社
13:55 講演
「早生広葉樹の資源量および利用とその現状」
杉山真樹氏:森林総合研究所 木材加工・特性研究領域
14:35 講演
「利用から考える材質研究」
浅田隆之氏:東京農工大学大学院農学研究院、飛騨産業株式会社、
飛騨高山カーボンサイクル
15:10 講演
「早生樹広葉樹利用の紹介」
村田功二氏:京都大学大学院農学研究科 森林科学専攻
15:55 講演
「国内外の材質研究と今後の展望」
石栗 太氏:宇都宮大学農学部 森林科学科
16:35 総合討論
17:00 閉会挨拶
日本木材学会 組織と材質研究会 会計幹事 安部 久
17:20-18:00 個別討論 (Zoomブレイクアウトルーム)