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■ ウッディエンス メールマガジン         2024/7/05  No. 065
☆★ 木材の科学は日進月歩! 日本木材学会から最新の情報をお届けします
‥・* 発行 日本木材学会広報委員会
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                 日本木材学会広報委員会委員長 玉 井  裕
                                                         
■ 本号の目次 ■
 本号は、組織と材質研究会および北海道支部研究会の開催報告、日本木材学会賞をはじめとした
各賞受賞者のコメントをご紹介します。ぜひご覧ください。
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◆組織と材質研究会2024年春季研究会 開催報告
└-研究会企画担当 井城 泰一(森林総合研究所林木育種センター東北育種場)
 第74回日本木材学会大会が終了した2024年3月15日午後に京都大学農学部総合館において、日本木
材学会組織と材質研究会主催の春季シンポジウムが開催されました。「材質評価の最前線」という
テーマで、京都大学大学院の喜多祐介氏、森林総合研究所林木育種センター関西育種場の高島有哉
氏、住友林業の海野大和氏、青森県産業技術センター林業研究所の中島剛氏の4名の方にご講演を
いただきました。
 喜多祐介氏には、「イメージングとインフォマティクスの融合による樹木細胞の多元的形態情報解
析」というタイトルで、顕微鏡イメージングと画像解析を融合した多元的細胞形態計測と解析に関
して、応用事例を紹介していただきました。高島有哉氏には「スギの大断面切片に適用したImage J
プラグインの開発と組織構造プロファイルの取得」というタイトルで、スギをモデルケースとして、
Image J用のプラグインとして開発した大断面切片画像で自動解析可能な木材組織解析ソフトウエア
についてご紹介いただきました。海野大和氏には「SilviScanによる半径方向の複合的な多材質計測
―カラマツ・グイマツ交雑次代の計測例―」というタイトルで、グイマツ雑種F1を用いてSilviScan
により計測した多形質間の関連性評価や強度特性との比較についてご紹介いただきました。中島剛氏
には「X線CTを用いたクロマツ樹体内における接種したマツノザイセンチュウの3D可視化」というタ
イトルで、マツノザイセンチュウを接種したクロマツにX線CTを適応した事例をご紹介いただきまし
た。今回の研究会には78名(うちオンライン14名)程度の方が参加され、各講演に対して質疑応答が
活発に行われました。本シンポジウムの主旨であった材質評価方法の新しいアプローチについて理解が
進み、これらの技術により今後の材質研究の発展に貢献できると感じました。
 また、森林総合研究所北海道育種場の中田了五氏から木材解剖学用語集と材質用語集の完成報告があ
りました。北海道大学佐野雄三教授からPRWAC(2024年9月10-14日、旭川)の案内がありました。国
内外から多くの参加者が集まり、組織と材質に関わる幅広い分野で活発に交流することが期待されます。
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2023年度
◆第64回日本木材学会賞
久保島 吉貴(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
「質量付加による木材の共振周波数の低下を利用した振動試験に関する研究」

高田 直樹(森林総合研究所森林バイオ研究センター)
「樹木の発達機構および生理現象に関わる分子制御機構の解明」

◆第35回日本木材学会奨励賞
高梨 隆也((地独)北海道立総合研究機構 森林研究本部 林産試験場)
(現 北海道大学大学院農学研究院)
「北海道産材を活用した木質建築材料の長期的性能に関する技術開発」

◆第32回日本木材学会地域学術振興賞
片桐 幸彦(福岡県農林総合試験場 資源活用研究センター)
「九州地域におけるスギ・ヒノキ構造材の高品質乾燥技術の開発および地域産業活性化への貢献」

福田 聡史(あいち産業科学技術総合センター)
「木材の高度利用を志向した技術開発と地域産業への普及」

◆第25回日本木材学会技術賞
山田 竜彦 (国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
「改質リグニン総合システムの開発」

◆第10回日本木材学会優秀女子学生賞
宮 欽樂(東海国立大学機構名古屋大学大学院生命農学研究科)
「アルカロイド類の顕微分布と生物学的な役割に関する研究」

土屋 綾香(岐阜大学大学院連合農学研究科)
「癌細胞の遊走と破骨細胞形成阻害を示すインドネシア産薬用植物
由来フラボノイド」

李 淇(九州大学大学院農学研究院)
「ピッカリングエマルジョン技術による多糖ナノファイバー系バイオマテリアルの機構設計とバイオ
メディカル応用」

◆第17回日本木材学会論文賞
《木材学会誌》論文賞
桃原 郁夫(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
神原 広平(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
松永 浩史(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
山本 幸一(元独立行政法人森林総合研究所)
「林業試験場素材耐久性試験結果の再評価」木材学会誌,69巻1号

古俣 寛隆(北海道道立総合研究機構林産試験場)
加用 千裕(東京農工大学大学院農学府)
「国際連合食糧農業機関の統計データベースに基づく世界の木質燃料消費量と途上国の燃料転換によ
るCO2排出増加量の推計」木材学会誌,69巻2号

《Journal of Wood Science》論文賞
楠本 倫久(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
森川 卓哉(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
橋田  光(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
松井 直之(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
大平 辰朗(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
「The variability of terpenoids and flavonoids in native Lidera umbellate from 
the same region」
Journal of Wood Science, Vol.68, Article number 58

Yoshikay Benitez Diegi Alonso(九州大学生物資源環境科学府)
大平 香織(九州大学生物資源環境科学府)
Kasturi Banerjee(九州大学生物資源環境科学府)
藤田 弘毅(九州大学農学部)
重藤  潤(九州大学農学部、広島大学)
堤  祐司(九州大学農学部)
「The populus alba cationic cell-wall-bound peroxidase (CWPO-C) regulates plant 
growth, lignin content and composition in popular」

◇受賞者のうち、数名の方からコメントが届いておりますので、
下記のリンクからご覧ください。
受賞者の方からのコメント
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◆北海道支部 令和6年度総会・第54回研究会 開催報告
北海道支部 研究会理事:川等恒治、鈴木昌樹(北林産試)、鈴木栞、重冨顕吾(北海道大学)

 北海道支部では、6月27日(木)に北海道立総合研究機構林産試験場およびZoomミーティングにおい
て、第54回の北海道支部研究会を主催しました(共催:(地独)北海道立総合研究機構森林研究本部林
産試験場)。『木材産業における画像解析・AIの活用』をテーマに、後述の3名の講師に話題提供して
いただきました。林産試験場の橋本講師からは、これまで行ってきた画像解析・AIを活用した研究事例
の紹介があり、はこだて未来大学の吉田講師には、多くの研究事例の中から木材に関わりの深い研究に
ついてお話しいただきました。そして、木材関連機械の製作・販売を行っているエノ産業株式会社の青
木講師には、開発した原木選別装置を紹介していただきました。
 約3時間にわたる研究会には、会場参加、Zoom参加を合わせて、80名以上の方に参加していただき、
参加者からはたくさんの質問や意見が出るなど、関心の高さがうかがえました。
 また、同日、この研究会の前に令和6年度の支部総会を開催しました。令和5年度の事業および決
算の報告を行い、令和6年度の事業計画と予算および役員交替について報告しました。11月には研究
発表会も開催を予定しています。是非ご参加ください。
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 広報委員会では各研究会や支部大会等の報告をウッディエンスに投稿していただくよう
お願いしております。幹事の方はお忘れなきようお願いします。原稿は随時受け付けてお
りますので、よろしくご協力ください。

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◎和文誌:木材学会誌 電子ジャーナル版
    https://www.jwrs.org/publish/mkz/

◎欧文誌:Journal of Wood Science 電子ジャーナル版
    https://www.jwrs.org/publish/jws/

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