ウッディエンス・メールマガジン


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■ ウッディエンス メールマガジン          2007/3/23  No. 003   
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■  木材の科学は日進月歩! 日本木材学会から最新の情報をお届けします  ■
                                     ■
                   発行 日本木材学会広報・情報委員会 ■
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■本号の目次■
 ・会員の研究紹介
  ◆『超臨界水法によるリグノセルロースからのバイオエタノール生産』
          京都大学大学院エネルギー科学研究科 宮藤久士、坂 志朗

  ◆『実大材を用いためり込み・せん断試験方法の検討』
                         森林総合研究所 井道裕史
 
 ・木材に関する話題から
  ◆ 『木彫像の樹種 − 木彫像用材の科学的分析 − 』
                 森林総合研究所 多摩森林科学園 藤井智之

 ・学会行事報告
  ◆R&Dツアーセミナー報告           森林総合研究所 新藤健太
   「国産材利用最前線・火の国ツアー −伐採現場から合板製造まで−」

 ・関連行事情報
  ◎森林学会との合同シンポジウム 4/2
  ◎NPO法人 才の木 設立記念シンポジウム 4/20
  ◎第2回木質科学シンポジウム 5/12
 ・その他
  ◇新刊図書案内 『木材の科学と利用技術 IX
            「安心して住める環境共生社会の構築」』
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■会員の研究紹介コーナー■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 日本木材学会の研究分科会という組織ではいくつかの共通の研究対象に興味をもつ
会員相互の情報交換や新たな成果を発表するなど、さまざまな活動が行われています。
このコーナーでは、それぞれの研究会から興味深い研究をされている方を順番に紹介
しています。
 今回は《化学加工研究会》から推薦された宮藤久士氏と《木材強度・木質構造研究
会》から推薦された井道裕史氏の研究をご紹介します。
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◆『超臨界水法によるリグノセルロースからのバイオエタノール生産』
           京都大学大学院エネルギー科学研究科 宮藤久士、坂 志朗

 近年、地球規模でのエネルギー・環境問題が顕在化し、ますます深刻の度を増して
きています。特に、化石燃料の利用による二酸化炭素排出量の増加は、地球温暖化を
招くとされ、その排出削減は人類に課せられた緊急の課題です。そのような状況の中、
カーボンニュートラルで二酸化炭素排出削減に効果があるとして、バイオマスの利用
へ期待が高まってきています。中でも、ガソリン燃料の代替として利用可能なバイオ
エタノールには、大きな関心が寄せられています。現在は、トウモロコシのデンプン
を加水分解させて得られる糖類や、サトウキビからの糖類を酵母により発酵させバイ
オエタノールを生産するプロセスが各国で盛んに研究されていますが、食糧問題が危
惧される中で、非食料資源である木材をはじめとするリグノセルロースへの原料転換
が望まれています。特に木材は莫大な賦存量があり、我が国のような森林国において
は原料として有望な資源と考えられます。
 リグノセルロースから発酵性の糖類を得る方法としては、古くから硫酸などを用い
た酸加水分解、蒸煮・爆砕、酵素加水分解をはじめとし、様々な方法が報告されてい
ます。しかしながら、近年、無触媒で環境負荷の小さい処理方法として、超臨界水法
が注目されてきています。本稿では、超臨界水法を用いたリグノセルロースからのバ
イオエタノール生産に関して、我々の研究グループにより得られた近年の研究成果に
ついて紹介します。

◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
  http://www.jwrs.org/woodience/mm003/miyafuji.pdf 

◇問い合わせ先:
京都大学大学院エネルギー科学研究科 
エネルギー社会・環境科学専攻 坂 志朗 研究室
TEL & FAX : 075-753-4738 or 9116

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◆『実大材を用いためり込み・せん断試験方法の検討』
                          森林総合研究所 井道裕史

 木造住宅などの木造建築物を安全に設計するためには、木材の持つ強度性能をきち
んと把握しておかなければなりません。これらの強度性能の基礎となる強度値を、国
土交通省では基準強度として告示で定めています。その中に、製材、構造用製材(建
築物の構造耐力上主要な部分に使用する製材)に対する基準強度というものがありま
す。これらの値は長らく無欠点小試験体という、節などの欠点がなく、サイズも数セ
ンチから数十センチという小さな試験体による試験結果を基に決められてきました。
ところが、木造建築物で実際に使用される木材は、柱や梁などサイズが大きく、さら
に節や繊維傾斜など木材の強度に影響を与える様々な因子が含まれています。そのた
め、現在の基準強度は実大試験の結果を基にしたものに移行しつつあります。
 ところで、木材の強度は、荷重の加わる方向でいくつかの種類があります。基準強
度に示されている強度には、曲げ強度、縦引張り強度、縦圧縮強度、めり込み強度、
せん断強度があります。めり込みとは木材の繊維と直交方向に部分的に圧縮が加わる
力、せん断とは木材が繊維に沿ってずれるように働く力のことです。そのうち、曲げ、
縦引張り、縦圧縮強度は実大材による強度試験も多く行われ、基準強度も実大材での
試験結果が基となっています。ところが、めり込み、せん断の基準強度は現在でも無
欠点小試験体の試験結果から導かれた値であると考えられています。その理由として、
まず、実大材を用いためり込み、せん断試験データが十分でないことが挙げられます。
次に、上記の理由とも関連しますが、これまで実大材を用いためり込み、せん断試験
は様々な方法で行われてきており、試験方法や評価方法によって試験結果が一致しな
い、また、どのような試験条件が試験結果に影響を及ぼすのかがよくわかっていない
ということが挙げられます。
 そこで私たちは、めり込み、せん断試験について、試験方法、試験条件を変化させ、
それらがめり込み、せん断性能にどのような影響を及ぼすのかを検討しました。

◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
  http://www.jwrs.org/woodience/mm003/ido.pdf 

◇問い合わせ先:
 森林総合研究所 井道裕史
 TEL : 029-829-8308(構造利用研究領域材料接合研究室)
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■木材に関する話題から■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 マスコミなどでも取り上げられた木材に関する最新の話題を関係者がご紹介します
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◆『木彫像の樹種 − 木彫像用材の科学的分析 − 』
                  森林総合研究所 多摩森林科学園 藤井智之
									
 我が国の奈良時代から平安時代にかけての仏像に使用される木材の樹種に関して、
科学的に研究されるようになったのはそれほど古いことではありません。しかし、最
近新聞等でも報じられたように、1970年代にはヒノキ製であると見なされていた木
彫像の多くが、最近の研究ではカヤ製であることが判明しました。ここでは、実際に
これらの仏像の識別に携わった藤井氏に、仏像に使用される木材を識別する際の注意
点や科学的手法に関して具体的な例を交えて解説をお願いしました。

◇詳しい内容は下記のリンクからご覧ください。
  http://www.jwrs.org/woodience/mm003/fujii.pdf 

◇問い合わせ先:
 森林総合研究所 多摩森林科学園 藤井智之
 TEL : 042-661-1121
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■日本木材学会行事報告■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  日本木材学会ではさまざまな活動を行っています。今回は先ごろ行われました
  R&Dツアーセミナーの報告をお届けします。
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日本木材学会R&Dツアーセミナー「国産材利用最前線・火の国ツアー
                      −伐採現場から合板製造まで−」
       (独)森林総合研究所 複合材料研究領域積層接着研究室 新藤健太

 去る2006年11月7日(火)と8日(水)の2日間、熊本県にて、日本木材学会主催の
2006年R&Dツアーセミナーが行われましたので、ここにご報告させていただきます。
本ツアーには、林野庁から後援を、(社)木材加工技術協会・(社)日本木材保存協会・
(社)全国木材連合会・日本合板工業組合連合会など計9団体からは協賛を、それぞれ
いただきました。
 本年度のR&Dツアーセミナーは、初日のシンポジウムと、翌日の現地見学会の2部
構成で実施されました。
 2006年11月7日(火)の午後、熊本県民交流館パレアホールにおけるシンポジウム
で幕を開け、80名を超える方々にご参加いただきました。各講演者からは、国産材・
地域材の利用拡大に関する取り組みや斬新なアイディアが次々に報告され、活発な討
議も展開されました。
 翌11月8日(水)には、熊本県南部の人吉地域、芦北(水俣)地域での現地見学会が行
われました。参加者39名を乗せたチャーターバスは、朝8時すぎ熊本城に近接する交
通センターを後に、人吉市の木材市場へと向かいました。その後、市内の森林伐採現
場では最新鋭の伐出機械のデモを、水俣市の合板工場では製造ラインをそれぞれ見学
しました。幸い天候にも恵まれ、本ツアーセミナーは盛況のうちに2日間の幕を閉じ
ました。

◇本ツアーセミナーの実施状況に関しては下記のリンクをご覧下さい。
    http://www.jwrs.org/woodience/mm003/rdtour.pdf

◇また詳しい報告については、協賛団体である(社)木材加工技術協会の「木材工業
2007年4月号(掲載予定)」をご参照下さい。

■関連行事情報■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  この欄では木材科学に関するシンポジウム等の情報をご紹介します。
  その他の木材学会の行事予定は http://www.jwrs.org/events/event.htmlで
  ご覧ください。
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◎日本森林学会・日本木材学会合同シンポジウム
    −九州の森林のゆくえ/現場最前線から−
日 時:2007年4月2日(月)、14時00分〜17時30分
会 場:九州大学付属図書館4階視聴覚ホール(箱崎キャンパス)

 現在九州では、戦後植栽した人工林がまさに伐期を迎え、その資源としての有効利
用が叫ばれ、そのための新たな仕組み作り、同利用の動きが活発化してきています。
一方で、九州各県の環境税新設に象徴される森林の環境への期待も拡大しており、九
州の森林は大きな転換期に差し掛かっています。このシンポジウムでは、九州の森林・
林業の最前線で御活躍の方々にお集まり頂き、現状をお聞きするとともに、九州の森
林のゆくえについて一般の方を交えて、真摯に討論する予定です。

 詳しくは日本森林学会のHPをご覧ください。
   http://www.forestry.jp/contents/meeting/meeting118/schedule.pdf

◎NPO法人 才の木 設立記念シンポジウム
  『日本の木を使い、森と環境を守る 』
日時:4 月20日(金) 午後3時 NPO法人活動紹介/パネル討論会
場所:東京大学 弥生講堂 東京都文京区弥生1-1-1 

 地球温暖化の現実はどうなっているのでしょうか? アル・ゴア著「不都合な真実」
には世界各地からの警告があふれています。 NPO法人「才の木」も京都議定書にあ
る二酸化炭素排出削減のために、小さな一歩を踏み出したいと考えます。 このシン
ポジウムでは、木材を山から下ろし、お金を山に還元して、森林を育てるという、環
境(自然)と経済(人間社会) の持続性を維持するための「仕組みづくり」を提案します。
 
 詳しくは http://www.sainoki.org/info02.html をご覧ください。
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◎第2回木質科学シンポジウム
日時:5 月12日(土) 午後
場所:東京大学 弥生講堂 東京都文京区弥生1-1-1 
 日本木材学会総会に合わせて表記シンポジウムが予定されています。詳しいことは
木材学会のホームページをご覧ください。

■新刊図書案内■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    木材学会から新しい図書が刊行されました。
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◎木材の科学と利用技術 IX 「安心して住める環境共生社会の構築」
                 日本木材学会編 (A4半 5分冊箱入り)
                 セット価格 8,000円 (分冊は各2,000円)
 分冊タイトル
  1.  地産・地消型のビジネスモデルを学ぶ
  2. 木質構造の防耐火性能とモデル設計
  3. 木質材料と空気質
  4. 木材接着のこれから
  5. 木質系廃材の現状と予測

 木材に関する最新の情報を、専門分野の権威が解説しました。
 ご購入の申込は直接木材学会事務局まで。詳しくは下記のリンクをご覧ください。
   http://www.jwrs.org/books/
──────────────────────────────────────
■日本木材学会の刊行する学術雑誌はインターネットで読むことが出来ます。最新の
学術情報をぜひご覧ください。

◎和文誌:木材学会誌 電子ジャーナル版
  http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jwrs/-char/ja/

◎欧文誌: Journal of Wood Science 電子ジャーナル版
  http://www.springerlink.com/content/1611-4663/
  
━━━━<広 告>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ウッディエンス」では以下の欄に掲載する5行広告を募集します。
なお、広告は日本木材学会の賛助会員からのみ受け付けます。
詳しくは末尾の広報・情報委員会までメールでお問い合わせください。
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□   ウッディエンス・ホームページ http://www.jwrs.org/woodience/          
□   日本木材学会ホームページ   http://www.jwrs.org   
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