組織と材質研究会 秋季シンポジウム2014のお知らせ


<要旨>

シンポジウム要旨ができました。ダウンロード11MB

<ポスター>

○ シンポジウムポスターができました。ダウンロードして利用ください。

<シンポジウム>

日本木材学会 組織と材質研究会 2014年秋季シンポジウム

「樹木と昆虫のインタラクション:樹幹加害の多面的理解」


【日時】2014年9月18日(木)13:00-17:30
【場所】東京大学 弥生講堂 セイホクギャラリー リンク
【参加費】無料(要旨集代含む)

【懇親会】18:00-20:00 同会場にて
【懇親会費(予定)】(一般)5,000円、(学生)3,000円

参加を希望される方は、必要事項をご記入の上、下記宛てにお申し込み下さい。
研究室、あるいはもう少し大きい単位でまとめて申し込み頂ければ幸いです。
また、お近くに参加を希望されそうな関係者以外の方がいらっしゃれば、是非ご周知下さい。

【申込先】
矢崎健一(森林総合研究所)
kyazaki@ffpri.affrc.go.jp

【締切】9月12日(金)

準備の都合上、出来るだけ事前に申し込み頂けますでしょうか。
もちろん、飛び入り参加も歓迎致します。

−必要事項−−−−−−−−−−−−−−−−
氏名:
所属:
連絡先:
懇親会参加の有無:
注)学生は、所属の後に「学生」と記してください。

質問等ございましたら、ご遠慮なく連絡ください。


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日本木材学会 組織と材質研究会 2014年秋季シンポジウム

「樹木と昆虫のインタラクション:樹幹加害の多面的理解」


要旨


樹木は形成層による細胞分裂と二次壁の肥厚,木化により,耐久性の高い樹幹を継続的に形成する。しかしながら、その強固な樹幹をもつ樹木が、他生物の作用、すなわち病虫害によって、いとも簡単に枯死に至る場合がある。森林の保護や、木材の利用において、病虫害は時に気候変動などとはまた異なる大きなインパクトを与える。

樹木を「攻撃する」昆虫は、樹木を枯らすために攻撃しているのではない。あくまで、個体の生存のために、樹木を利用しているにすぎない。その行動には、これまでの進化の過程で得られた適応的意義が存在するはずである。そして他生物の攻撃を樹木はどのように防ぐのだろうか。樹木の樹幹は地上で最大の生物器官であるにも関わらず、木部には生細胞(柔細胞)が約4%〜20%程度しかない。昆虫や昆虫によって媒介される生物に対し、樹幹は「生物として」どのように反応するのだろうか。また、昆虫の攻撃の結果、樹幹に残る「傷」や「被害」は、樹木の生存にとって軽微なものから枯死に至る場合まで多様である。しかし、木材の有効利用という観点から、樹木の生存に対する影響とは異なった視点で、昆虫による樹幹の「被害」について評価するべきである。

以上の観点より、樹木と樹幹への加害生物のインタラクションを理解して、より有効な防除法、さらに被害木の有効利用について考える必要がある。本シンポジウムでは、これまでに精力的にこの分野で研究を重ねられてきた講演者の方々に、樹木を(結果として)攻撃する加害生物側、攻撃に対して防御・反応する樹木側、さらに攻撃の結果樹幹に残った「被害」を含む木材を利用する人間側、多面的な視点からご講演いただき、樹木と加害生物のインタラクションについて考察したい。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とは孫子の言葉である。森林の保全と、安定した木材供給のためには、自然界での、樹木と他生物との様々なインタラクションの科学的知見に基づいた対策が必須である。これらの知見を集約し、我々「人間」は、この中でどのように森林の保全や木材の利用に向き合ったらよいのか、議論を深めたい。

講演


1.「樹木害虫が利用する振動・化学情報とその防除への応用」
高梨 琢磨 氏(森林総研)

2. 「コンパクトMRIを用いた材線虫病の通水阻害進展過程の観察」
福田 健二 氏(東京大学)

3. 「昆虫と微生物の協働で進む樹木の過剰防御と通水停止」
黒田 慶子氏(神戸大学)

4. 「ピスフレックの発生実態と木材組織学的研究―その現状と課題―」
石濱 宣夫 氏(北海道立総合研究機構)

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